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第5回 無線LANの通信速度を測定してみる。

無線LANは、今や多くの家庭に広く普及しており、米国においてはイーサーネットの有線接続よりも無線接続の方が上回っているのが現状です(アメリカの調査会社 Parks Associates調べ 2005年1月現在)。

無線接続の場合、電波の届く範囲内であればどの場所からでもすぐにインターネットに接続でき、煩わしいケーブルを敷き詰める必要もなく、プロバイダー各社からも無線環境(無線カード等)が積極的に提供されているという背景もあり、導入する方が非常に増えています。
しかし、電波を使っての通信のため周りの影響を受けやすく通信が不安定になったり、セキュリティの観点から盗聴されないようデータを暗号化する必要もあります。また受信する際には、復号化してデータを取り出すといった余分なプロセスが発生するため、有線に比べ伝送効率が低下します。

今回は、この通信速度に着目し、それぞれの観点からどの程度の速度がでるのか実際に計測してみました。

通信速度の測定環境

【測定環境】
移動体端末(子機)OS:WindowsXP(SP3) CPU:PentiumM 1.6GHz メモリ:2GB 無線規格:IEEE802.11n
無線ルータ(親機)AirStation WZR2-G300N  A地点に固定
固定PC OS:WindowsVista(SP1) CPU:Core2 Duo E6750 2.66GHz メモリ:3GB A地点に固定

【測定条件】
●暗号レベル
(1)なし (2)WPA-PSK(TKIP) (3)WPA2-PSK(AES) 
●転送データ
移動体端末(子機)から無線ルータ経由で固定用PCに向けて64KBデータを15秒間連続送受信。これを1セットとし、5回繰り返す。最大・最小を除いた3回分のデータを対象に平均を算出した。  通信速度の測定結果

親機からの距離が遠くなる程、通信速度は低下します。最高速度は、親機と同エリアで暗号レベルがWPA-PSK(TKIP)の46.64Mbps。最低を記録したのは、親機から最も遠い、2F D地点の暗号レベルWPA2-PSK(AES)の11.2Mbpsで、およそ1/4以下にスピードダウンしてしまいました。
距離による速度差は予想通りといったところですが、暗号レベルによる速度差は、あまり相関関係がない結果となりました。2Fに関して言えば、暗号レベルが強くなる(AES)ほど速度が低下しましたが、1Fに関してはバラバラです。

しかし、実はこの暗号化ですが、TKIPに関しては、暗号化処理をソフトウェアで処理し、AESはハードウェアで処理するため、AESの暗号化によるオーバーヘッドは無い!というのがAESの特徴であり利点なのです。 従って、暗号強度も高く、速度低下も招かないとなればAESを使ったほうが得策と考えられます。

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