メモリの搭載量が少ないとパソコンの動作は重くなります。立ち上がりに時間がかかったり画面が固まったまま動かなくなったり。
メモリに起因する場合は、メモリを増設することでこれらの問題は解決しますが、一体どのくらいのメモリを積めば快適に動くようになるのでしょう。
今回は、XPとVISTAに関して調査してみました。ちなみに実験に使用したパソコンは、XPマシン、Vistaマシンともに約1年ほど使い続けたものを使用しました。
【XPパソコン】
CPU:Celeron D 325(2.53GHz,256KB L2キャッシュ FSB 533MHz)
メモリ:PC3200 DDR−SDRAM (256MB〜1GB)256MB刻みで検証
HDD:160GB(Ultra ATA-100)
光学ドライブ:BENQ DW1640
グラフィックボード:インテル Extreme Graphics2(オンボード)
ネットワークアダプタ:10/100 Ethernet ネットワークコントローラ(オンボード)
【Vistaパソコン】
CPU:Core 2 DUO E6750(2.66GHz,4MB L2キャッシュ,FSB 1333MHz)
メモリ:PC6400 DDR2−SDRAM (512MB〜2GB)512MB刻みで検証
HDD:500GB(SATA)
光学ドライブ:ASUS DRW-2014L1T
グラフィックボード:NVIDIA Geforce 8600GT
ネットワークアダプタ:Gigabit Ethernet ネットワークコントローラ
【検証項目】
搭載メモリを変えながら、一般的によく使用されるアプリケーションの起動時間を計測しました。
1.OS(XP、VISTA)のそれぞれの立ち上がり時間
2.Officeソフト(Excel2003、Excel2007)の立ち上がり時間
3.ブラウザソフト(Internet Explorer7)
4.メーラー(Outlook Exprees6、Windowsメール)の立ち上がり時間
5.音楽管理再生ソフト(iTunes7)の立ち上がり時間
6.画像編集ソフト(Photoshop Elements6)の立ち上がり時間
7.1〜6まで全てのソフトを同時に立ち上げたときの総起動時間
(スタートアップに2〜6までのショートカットを作成)
【メモリ】
XPの場合
256MB、512MB,768MB、1GB(256MB刻みで検証)
Vistaの場合
512MB、1GB、1.5GB、2GB(512MB刻みで検証)
結果は下記の通りとなりました(表中の単位は、分:秒)。
WindowsXP | 256MB | 512MB | 768MB | 1GB |
---|---|---|---|---|
OS起動 | 1:37 | 0:44 | 0:37 | 0:38 |
Excel2003 | 0:19 | 0:09 | 0:08 | 0:09 |
Internet Explorer7 | 0:51 | 0:18 | 0:23 | 0:14 |
Outlook Exprees6 | 0:29 | 0:21 | 0:17 | 0:13 |
iTunes7 | 1:03 | 0:31 | 0:30 | 0:29 |
Photohop Elements6 | 1:35 | 0:36 | 0:34 | 0:33 |
全てのソフトを同時起動 | 11:02 | 4:07 | 3:05 | 3:10 |
検証結果、XPの場合はメモリ搭載量512MBから劇的に改善されることが分かります。比較的軽いoffice系のソフトであれば、特にストレスなく
使うことはできますが、画像編集や音楽、マルチメディア系の重めのソフトの場合、256MBではかなり起動に時間がかかってしまい、たとえ 立ち上がっても一つの操作をする度に、画面が固まる、フリーズといった現象が発生してしまいます。
最近発売されているパソコンは、比較的メモリ搭載量が多いのですが、Vistaが発売された2007年より前にパソコンを購入された方の中には 256MBしか搭載されていないものが数多く存在します。そのような方はやはりメモリ増設をお勧めします。
WindowsVista | 512MB | 1GB | 1.5GB | 2GB |
---|---|---|---|---|
OS起動 | 3:02 | 2:00 | 1:25 | 1:24 |
Excel2007 | 0:28 | 0:08 | 0:02 | 0:02 |
Internet Explorer7 | 1:19 | 0:21 | 0:17 | 0:14 |
Windowsメール | 0:39 | 0:20 | 0:14 | 0:08 |
iTunes7 | 1:00 | 0:40 | 0:12 | 0:12 |
Photohop Elements6 | 1:02 | 0:31 | 0:17 | 0:07 |
全てのソフトを同時起動 | 14:25 | 5:07 | 3:04 | 2:46 |
Vistaの場合は、ハードウェアに対し、かなりの高スペックな性能を要求されます。512MBのメモリを搭載していてもOSの起動だけで、3分を超えてしまいます。また、たとえ立ち上がっても動作が鈍くとても実用レベルで使うには程遠い感じがします。軽めのソフトを単体で使うのであれば、1GBでも何とか動かせますが、複数のソフトを立ち上げて、あるいは、マルチメディア系の重めのソフトを使用する場合は、最低でも1.5GBを必要とします。但し、ストレスなく使用したい方には2GB以上をお勧めします。
一昔前は高価だったメモリも現在は非常に安くなりお求めやすくなっております。パソコンの動作が重いなと感じたら迷わずメモリの増設を検討してみてください。